今月の講話(毎月1日 月次祭後の宮司講話です)

令和3年6月の講和 『人類が共有すべきもの』

 今年は 例年に無く 5月に梅雨に入りました。
 つい先日 境内の花菖蒲に蕾が付き始め その周りには 色んな種類の草が生い茂っておりました。開花までにと その草取りをしようと思い立ち 作業に取りかかりましたが 中々捗らず 手間取る自分自身に 苛立ちを覚えました。と その時 『共生』という文字が浮かんで参りました。ああ そうやった。お前たちも 共に生きているんやなと 我に返り 草たちに「ごめんね。 花菖蒲の咲く時期だけは 協力してくれへんかな」と声を掛けました。
 すると 草たちが 僕も私も取って取ってと 口をそろえて一斉に語り出し ありがとう ありがとうと 言いながら作業を進めますと 予想以上に捗り 草取りを終える事ができました。今 花菖蒲が綺麗に咲いてくれています。
 昨年はコロナのお陰で 色々な事に気づかせて頂けた1年でありましたが ワクチンが開発され 少し安堵と思いきや あのワクチンは 副作用がなどと やたら恐怖心を煽る報道がなされたり近頃は 何やら人心が乱れて参りました。 物事には 全て陰陽がございます。ただ 今や世界中の人々が唯一 共有しているのは コロナであります。仮にコロナを陰とすると 真逆の陽は何でしょう?
 我が国の肇りは神話であり 神話を基として今日に至っております。そして 神話から学び取れる最も大切なものの1つは 祈りであります。世界各国には 様々な宗教がございます。そして共通して宗教が目指すものは 祈りを通しての人々の幸せであります。斯様なことから コロナを陰とするならば 真逆の陽は 祈りであり 全世界の人々が 今 唯一共有できるのは コロナと祈りなのです。
 地球はコロナにより 1つに結束しておりますが 更に世界が祈りを共有し 未来を共にすることを忘れなければ 人類が永遠に滅びることは ないでしょう。
 コロナの1日も早い収束の祈りを 捧げます。

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