今月の講話(毎月1日 月次祭後の宮司講話です)

令和二年 龍田大社御鎮座2110年奉祝風鎮大祭
     併せ 新型コロナウイルス早期終息協心祈願祭宮司挨拶

 先ず以て 聖寿の万歳を寿ぎ奉り 皇室の弥栄と国家の隆昌 そして地球の安泰と惟神大宇宙の平和を お祈り申し上げます。
本日ここに 龍田大社御鎮座2110年奉祝風鎮大祭併せ 新型コロナウイルス早期終息協心祈願祭にあたりご来賓各位をお迎えし 地元氏子の皆様方 全国崇敬者の皆様方 多数の皆様方ご参列の元 厳粛且つ盛大裡のうちに 二千百十回目の祭典を斎行出来得ました事は 大神様のご加護は元より 皆様方の厚き敬神の念によるものと深く感謝申し上げます。
 また 九州地方豪雨被災地の皆様方には 心からお見舞い申し上げますと共に 一刻も早くご復旧致されます様 お祈り申し上げます。
 さて自然界には 目に見える動きのある働きと目に見えない静かな働きがございます。太陽の輝きは 地上の生命を育み 雨は大地に潤いをもたらしてくれます。
一方 月の満ち欠けは 生命の生死を促し 風は生命の成育に力を致します。このように人は 目に見える見えないに拘わらず 自然との共生という形の中で 自然の恩恵を頂き 時には 真逆に猛威を頂いて生きており いずれにせよ自然界の影響を頂いて 生かされています。
 この度の 新型コロナウイルスも同様に 病気という一面のみをとらえると 厄介ではありますが 他方では 何事もない 平凡な日常こそが どれほどありがたい事かに 改めて気づきを頂けたという恩恵があります。 この気づきこそが 日本民族特有の 感性の素晴らしいところであります。
大和言葉で 「ありがたい」は 天地の恵みに感謝して働く と解釈致します。どれだけ時代が変わろうとも この「ありがたい」という心を 受け継ぎ 次の時代へと 伝える。神道は 昔から伝わる やまと心を大切に抱きながら 日本人が歩むべき道を示すものであります。二千百十年間 脈々と伝わってきた龍田大社の御祭儀も全てそうであります。皆様のお力添えを頂きながら着手致しました 神楽殿大修復工事並び 神輿庫・祭器庫新築工事も お陰様で順調に進んでおります。また 予てからの念願でありました 龍田古道も 日本遺産に認定されました。コロナ騒動の中でも 真に喜ばしく 嬉しい事柄が 起こっております。
 ご祭神 龍田の風の神さまは 気の流れを司る神さまでございます。自然界のみならず 人の体には気の流れがございます。この流れが 滞ると病となります。病は気からという諺は このことを指しております。皆様方には どうか 龍田の大神さまの ご神気を頂いてください。ご神気を頂くとは 神さまを身近に感じることでございます。つまり風を感じた瞬間に 龍田の神さまがお守り下さっていると 微塵も疑いなくお感じください。そして コロナウイルスに心を添わせるいわゆる協心 そして大自然と共存しながらも 陰転陽動 明るく 楽しく 元気よくお過ごしくださいます様 心から お祈り申し上げます。

過去の講話一覧