今月の講話(毎月1日 月次祭後の宮司講話です)

令和元年7月 風鎮大祭 宮司挨拶 令和元年七月七日

 先ずもって 新天皇陛下御即位にあたり 奉祝の真をお捧げ申し上げ、聖寿の万歳を寿ぎ奉り皇室の御安泰と国家の隆昌そして 地球の安寧、惟神大宇宙の平和を お祈り申し上げます。
 本日ここに 令和の御代 初めての風鎮大祭にあたり ご来賓各位をお迎えし 地元氏子の皆様方 全国崇敬者の皆様方 多数の皆様方ご参列の元 厳粛且つ盛大裡のうちに 祭典斎行出来得ました事は 大神様のご加護は元より 皆様方の厚き敬神の念によるものと深く感謝申し上げます。
 皇紀二千六百七十九年 という長い日本の歴史の中で 本年は特に 新しい元号が定められました。言わば新しい時代の移り変わりでありますが 斯様な時にこそ 決して変えてはいけない 守り伝えて行かねばならないものがございます。それは 今年の 風の言霊 心深くいつくしみ思いやるという意味の「仁慈」の精神であります。この精神は 常に大自然との共生 つまり 日常八百万の神さまの ご存在ご守護を感じながら ご歴代天皇が三種の神器の勾玉の精神として 代々受け継がれ 守り そして伝えてこられた 我が国の精神であり 大自然の恩恵に 生かされているという 日本人の心であります。同様に 元号も 日本固有の大切な制度文化であり 天皇陛下を中心に 国民がその時代を共に生き 我が国が一つであるという 深い意味が込められています。
 この様な時の流れの中で 四季折々のお祭りも 伝統文化の一つであり お祭りを通して 日本人の心を大切にせよとの 先人たちの 想い 祈りが込められ 今日に伝えられて参りました。明年 ご鎮座二千百十年を迎えます 当社におきましても 本日の風鎮大祭では 特に うるわしい風と美味しい水を頂けるよう そして何事も無く平凡な日常を過ごせますようにと 一週間前から毎日朝夕の二度のお祭りを続けて参りました。つまり 本日の大祭で十五回目のお祭りを無事に修めさせて頂いた訳ですが ともすれば 不平不満を言いがちな昨今 何事もない 平凡な日常こそが どれほどありがたい事でありましょうか。大和言葉で 「ありがたい」は 天地の恵みに感謝して働く と解釈致します。どれだけ時代が変わろうとも この「ありがたい」という心を 受け継ぎ 次の時代へと 伝える。神道は 昔から伝わる やまと心を大切に抱きながら 日本人が歩むべき道を示すものであります。
 皆様方には  どうか新しい令和の御代に 日本人の心を 次世代に伝えるべく 龍田の大神さまのご加護の元 愈々お元気に それぞれのお立場で益々ご活躍くださいます様 お祈り申し上げます。  

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