今月の講話(毎月1日 月次祭後の宮司講話です)

平成29年4月 『樹々に学ぶ陰陽のバランス』

東風が春を運んで吹き流れる中 待ち望んでいたかのように 境内の樹々もいっせいに芽吹きはじめました。この春 新たに ご入学 ご入社の皆様方には 心からお祝い申し上げます。

春。英語ではspring。バネも同じスペル。英語での解釈の仕方もなかなかですが、大和言葉もなかなかどうして。
ハルのハ は 歯であり 葉であり あるいは波動であり 表に出るという意味合いがあります。一方ハルのル は ハに連動して 動き回るという意味合いがあります。ラ行は全て 動作を表します。
つまり ハルとは 葉っぱが芽吹いて グングン伸びていく様を表し 陽の気を感じさせる大和言葉なのです。また 波動とは 人間のみならず 動植物全ての生きとし生けるものが出して居り 逆に互いに影響の与え合いをしています。春だから 元気を出していきましょう!と 申し上げたいところですが 現実の日常生活では 人には言えない様々な 不安 悩み 苦しみ 悲しみがあるものです。そして この陰の感情を抱く事は 決して 悪いことではないのです。感情も神さまから 頂いた 大切な感覚なのです。
では 一体どうすればよいのでしょう
境内の樹々を ご覧下さい。寒い冬をじっと耐え 春になると 一斉に芽吹き出します。しかし じっと耐えているのではなく 寒い冬の間に 温かい土中では春に備えて一心に グングン根を張り続けます。陰陽のバランスをとっているのです。
では 人が陰陽のバランスをとるには?
例えば 悩みがあれば 悩んでいる自分を認めて下さい。そして次に 風を感じて下さい。風の神さまは いつでも どこでも 誰にでも 身近に感じる事ができます。そうすれば 自身がこの先どうしたいか どうあるべきか 見えてきます。つまり陰の状態から 龍田の陽の気を頂いて 陽に転じさせるのです。
この様に 角度を少し変えて 境内の樹々を見れば 気づけるように 身の回りには気づかせて頂ける事が沢山あります。陰でも陽でも いづれにしても それを先ず認める素直さが大切なのですが・・・。 でも もう春です!

過去の講話一覧