今月の講話(毎月1日 月次祭後の宮司講話です)

平成29年3月 『見えない静かな働き』

 今月 各種学校をご卒業の皆様方には 誠におめでとうございます。
 さて 寒い中にも 境内のもみじや桜の木の芽が ふっくらとして参りました。確実に春の訪れを感じます時 自然界には 目に見える動きのある働きと目に見えない静かな働きがあるのを ご存じですか?
 太陽の輝きは 地上の生命を育み 雨は大地に潤いをもたらしてくれます。
 一方 月の満ち欠けは 生命の生死を促し 風は生命の生育に力を致します。つまり私どもの祖先は 大昔から自然との共生という形の中で 自然に倣いながら生活を 営んでまいりました。このように 今 自然に倣うと意識致しますと 目に見えない静かな働きが とても大切なように感じます。
 つまり 人知れず誰かの為に 何かをさせて頂くことにより 良い気の流れがおきるのではないでしょうか。例えば 道端に落ちているゴミを拾うとか 公衆トイレの履物を揃えるとか。一人一人が こんな心持で日々を過ごすことにより世の中は 良い気で満ち溢れ 良い気の国になるのです。
 元々 日本の国は 国民一人一人が良い気を出しながら 国づくりをして参りました。今 古代日本人の想いに 心を馳せる時 日々の生活が果たしてこれで良いのかという疑問が 湧いてきます。
 春。力強い息吹が吹き亘る好機。自然界の良い気を頂きながら 良い気を出す生活を心がけてみては いかがでしょう。気の守り神である 龍田の大神さまのご加護は 間違いなく 垂れ給うものと感じます。

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